新幹線で電波が悪く、イライラしたことはありませんか。
私は電波が悪いと急ぎの仕事があるのに作業がスムーズに進まなかったり、動画をスムーズに楽しめなかった経験があります。
新幹線でなかなか電波がつながらない理由には新幹線の速度や山間部など、いくつかの原因があります。
この記事では、あらゆる角度から新幹線の電波が悪い状況を乗り切るコツを7つ紹介します。
ちょっとした工夫で新幹線でもスムーズにスマホやパソコンが使えるかもしれません。
今すぐ試せる方法もあるので、新幹線に乗っている時間を快適にしましょう!
新幹線で電波が悪いのはなぜ?意外な理由も!

- 新幹線が高速で走っているから
- 新幹線の本体が電波を遮りやすい構造であるから
- Wi-Fiサービスがない車両があるから
- 電波を遮るものが多い区間であるから
- Wi-Fiの利用者が多いから
新幹線に乗っていると、電波が悪いなと感じる方が多いでしょう。
トンネルがある区間では電波が悪くなるのは知っていても、意外に知らない理由があるかもしれません。
意外なものも含めて、電波が悪い理由を7つ紹介します。
新幹線が高速で走っているから
最初の理由は、基地局(通信アンテナ)の切り替えが関係します。
新幹線は高速で走るため、通信が途切れたり、動作が遅く感じたりします。
「ハンドオーバー」という仕組みで基地局を次々に切り替える必要があるからです。
新幹線は数秒ごとに、数百メートルから数キロメートル間隔で置かれた基地局に接続し直しています。
車で高速道路を走っていてもそれほど頻繁に基地局が切り替わることはありません。
しかし、新幹線は時速300km前後と高速で走るので、基地局が切り替わるたびに通信が途切れてしまいます。
つまり、新幹線の電波が不安定になる主な理由の一つは、頻繁な基地局の切り替えによるものです。
新幹線の本体が電波を遮りやすい構造であるから
以外な盲点が、新幹線の構造です。
新幹線は風圧にも耐えるため、すきまのない頑丈な金属でできています。
安全に走るための新幹線の構造こそが、電波を通しにくい原因です。
電波は金属によって遮られやすいため、新幹線は構造的にネット環境が悪い乗り物です。
電波の悪さを改善するために、車内Wi-Fiなどの対応がとられています。
新幹線は速く乗客を目的地に移動させることが目的なので、電波が悪くなるのもある程度は仕方がないといえるでしょう。
電波を遮るものが多い区間であるから
新幹線が通る区間によっても、電波に大きく影響します。
とくに山間部やトンネル内は、電波が悪くなりやすい区間です。
山やトンネルのコンクリートは電波を遮る原因になりやすいからです。
また、山間部は基地局の数が少なく間隔が広いため、電波が届きにくいことも原因の一つです。
とくに、東海道の岐阜羽島〜米原間、小田原〜三島間、静岡〜浜松間、山形の福島~米沢間は電波が悪いとされています。
私自身も静岡~浜松間のトンネルの多い区間では、スマホのブラウザがうまく切り替わらなくなった経験があります。
山が多い区間はトンネルも多いため、電波を遮る要因が多いのが現状です。
Wi-Fiサービスがない車両があるから
Wi-Fi対応の車両
- 東海道新幹線:すべての車両
- 山陽、九州新幹線:N700系、N700A、N700S、500系
- 東北・北海道・山形・秋田新幹線:E5系・E6系・E3系・H5系
- 北陸・上越新幹線:E7系・W7系
次に、新幹線にはWi-Fi対応とそうでない車両があります。
Wi-Fiに対応していない車両では、ネット接続が不安定になることがあります。
とくに古い車両や一部の自由席にはWi-Fiがありません。
東海道、山陽、九州新幹線ではN700系や500系が使われています。
また、東北や北海道ではE系、北陸や上越新幹線ではW系もあり、使われている車両は地域によってさまざまです。
上記の表でWi-Fiに対応している車両を挙げているのでご参考ください。
今のところ、予約の段階ではWi-Fiステッカーのある車両かどうかが分かりません。
自由席の場合は、新幹線のドア付近にあるWi-Fiマークのステッカーで確認できますよ。
トンネル以外ではWi-Fi対応していないと、安定した電波を受けられないことも多くあります。
Wi-Fiの利用者が多いから
各路線のフリーWi-Fiの名前
- 東海道・山陽・九州新幹線:Shinkansen_Free_Wi-Fi
- 北陸新幹線E7系:JR-EAST FREE Wi-Fi
- 北陸新幹線W7系:JR-WEST FREE Wi-Fi
電波が弱いとき、新幹線のフリーWi-Fiを利用する方も多いでしょう。
しかし、フリーWi-Fiの利用者が多いと通信の速度が遅くなります。
通信速度とは、1秒あたりにどれだけのデータを転送できるかを表した数値です。
通信速度は上限が決められており、利用者の人数に応じて分け合う仕組みです。
フリーWi-Fiの通信速度が十分にあっても、利用者が増えると1人あたりの通信速度が低下します。
一般的なキャリアと比べて通信速度が少なくなるため、ページの切り替わりが遅いと感じられます。
メールの送信やネット検索には問題ありませんが、動画やゲーム、大容量のダウンロードはスムーズにいかないことが多いでしょう。
新幹線の電波が悪いのはドコモかauかで違う?

- ダウンロード速度:データを受け取る速さ、動画の視聴など
- アップロード速度:データを送る速さ、SNSの投稿など
新幹線でのネット環境は回線によって異なるという話も聞きます。
実際のところドコモやau、ソフトバンク、楽天モバイルなどの回線で異なるのかを調査しました。
すると、使用する回線によって通信の速度は異なることがわかりました。
通信の種類には主に「ダウンロード速度」と「アップロード速度」の2つあります。
ダウンロード速度はスマホやパソコンにデータを受け取る速さで、数字が大きいほど動画をスムーズに視聴できます。
アップロード速度はスマホやパソコンからデータを送る速さのことで、数字が大きいほど写真や動画の投稿がスムーズです。
スマホを選ぶ際に、動画をよく見る方はダウンロード速度が大きいもの、SNS投稿を頻繁にする方はアップロード速度の重視がおすすめです。
一般的に、ソフトバンクは動画視聴の場面で速度が出やすい傾向があり、楽天モバイルはSNS投稿の場面で速度が安定しやすいという声もあります。
回線によって通信の速度が異なりますが、山間部に弱いものもあるので各社の特徴を把握しておくとよいでしょう。
新幹線の電波が悪い区間も快適!7つの対策とは!?

新幹線の電波が悪い原因を説明してきましたが、対策や対処できるものも多くあります。
新幹線に乗る前と乗った後で、それぞれ電波の悪さを改善する方法があります。
簡単に実践できる方法もあるので、詳しく見ていきましょう。
対策①:Wi-Fiのある車両に乗る
- ステップ①「設定」を開いて「Wi-Fi」をONにする
- ステップ②ステッカーのWi-Fi名を選択する
SSID一覧から「Shinkansen_Free_Wi-Fi」など を選択する
- ステップ③自動的にWi-Fiのログイン画面に切り替わる
自動でログイン画面に切り替わらないときはSafariやChromeを開くと表示される
- ステップ④ログイン認証する
メールアドレスで登録するか、SNSアカウント連携でログインする
- ステップ⑤利用の開始
認証完了後、インターネットが利用可能になる
まずは簡単にできる対策から紹介します。
まずは、Wi-Fiのある車両を選択することがポイントです。
東海道新幹線では、全てWi-Fi対応の車両が使われており、「Shinkansen Free Wi-Fi」に繋げば利用できます。
しかし、九州新幹線や東北新幹線などの一部の車両はまだWi-Fi対応されていません。
指定席を予約する際は、「乗換案内」の併用で事前にWi-Fi対応がある車両かチェックできます。
予約した新幹線の時間を「乗換案内」で調べると、車両の種類が表示されます。
自由席も「乗換案内」で調べれば、Wi-Fiのある車両をねらって乗車が可能です。
スマホの回線の電波が悪くても、Wi-Fi対応の車両に乗れば快適に過ごしやすいでしょう。
対策②:利用者の少ない時間帯に乗る
利用者の少ない時間帯
- 平日:正午や深夜
- 休日:正午や深夜
電波が悪い原因として、Wi-Fiの利用者が多いことをお伝えしました。
事前の工夫として、新幹線のWi-Fiを使って快適に過ごすために利用者の少ない時間帯を選ぶのも1つです。
平日の朝7時~9時と夕方17時~20時はビジネス利用が多く、混雑が予想されます。
方向によっては土日の同じ時間帯が混むので、正午の前後や深夜がわりと空いています。
利用者が少なければ通信速度が保ちやすいので、時間より電波のよさを優先するなら正午がおすすめです。
ただし、大型連休の前後はどの時間帯でも込み合うので、ラッシュのタイミングを避けるのが理想です。
正午の前後や深夜は、フリーWi-Fiで動画をスムーズに楽しみやすい時間帯です。
対策③:窓側の席に乗る
事前にできる工夫として、席の位置も電波の強さに関わります。
スマホの回線やWi-Fiを利用するなら、窓側の席が電波を拾いやすくおすすめです。
新幹線は電波を通しにくい金属で覆われた箱のようなものです。
しかし、窓側の席は金属でおおわれた車体の中でも、遮るものが少ない場所です。
また、通路側では壁や他の座席、乗客のスマホなどによって電波が遮られる可能性が高くなります。
一方、窓側は遮るものが少ないため、より安定して通信できるケースもあります。
電波が拾いやすい状況はトンネル外に限られますが、試す価値はありますよ。
対策④:事前にデータをダウンロードしておく
容量の大きい動画や資料は不安定な回線や車内Wi-Fiではダウンロードに時間がかかります。
新幹線に乗るまでに動画や資料をダウンロードしておけば、電波の悪い環境でもスムーズに見られますよ。
NetflixやYouTube、Amazonプライムなどの動画配信サービスには、ダウンロードして楽しめる「オフライン再生」機能があります。
ダウンロードしておけば、電波の状態とは関係なく利用ができるからです。
私は年末年始で新幹線を利用するときは、事前に子ども用のタブレットにアニメを数本ダウンロードしています。
動画が途切れてぐずることがないので、重宝しています。
ただし、ダウンロードが100%されているか、確認しておくことが大切です。
車内で利用するとわかっているデータは、事前にダウンロードしておくと便利です。
対策⑤:Wi-Fiルーターを利用する
Wi-Fiにはモバイルルーター(ポケット型Wi-Fi)と呼ばれる、持ち運べるタイプがあります。
個人のモバイルルーターがあれば、利用者でWi-Fiを取り合うこともありません。
高性能なプランなら、山間部でもモバイルルーターで問題なく動画の視聴ができたという声もあります。
複数の通信キャリアに対応したサービスを提供するモバイルルーターなら、自動で強い回線へ切り替えてくれます。
また個人のモバイルルーターなら、セキュリティ面でも他人に情報を盗まれる心配がありません。
とくに仕事で利用するなら、安全性に配慮された個人のモバイルルーターがよいでしょう。
金銭面で余裕があるなら、モバイルルーターで安定したネット環境を保てますよ。
対策⑥:S Work Pシートの利用
S Work Pシート情報
- 専用のフリーWi-Fiがある
- セキュリティ面に配慮されている
- 費用は2,000円の追加
ビジネスで新幹線を利用する方向けに、2023年10月から「S Work Pシート」という専用シートが設置されました。
S Work Pシートでは、「S_Wi-Fi_For_Biz」という専用の回線が用意されています。
「Shinkansen Free Wi-Fi」の約2倍の通信容量があり、新幹線でもスムーズに仕事ができます。
S Work Pシートは東海道・山陽新幹線の7号車に限り、のぞみ・ひかり・こだまで利用できる座席です。
追加で2,000円の負担がありますが、暗号化された方式でセキュリティ面でも配慮されています。
接続の制限がないので再びWi-Fiに繋ぐ手間が省け、仕事に集中できます。
ビジネスでストレスなく仕事をしたいなら、S Work Pシートの利用も考えてみてください。
対策⑦:高速通信を切り替える
・iPhone:設定→モバイル通信→モバイルデータ通信のオプション→音声通話とデータ
・Android:設定→ネットワークとインターネット(またはSIMカードとモバイルネットワーク)→モバイルネットワーク→優先ネットワークの種類
最後に紹介するのは、新幹線に乗った後に実践できる対処法です。
通信を5Gから4Gへ切り替えることで、通信が安定することがあります。
現在、主に使われている5Gは高速で大容量の通信が可能です。
しかし、5Gは電波の届く範囲がせまいため、新幹線のように高速で移動する環境では安定性が落ちやすくなります。
設定によっては、新幹線では5Gより4G(LTE)に勝手に切り替わることも多くあります。
ただ、モバイルルーターやスマホで「5G優先」設定にしていると、接続が不安定になることがあります。
通信が自動で切り替わらない場合は、「設定」から4Gへ切り替えてみるとよいでしょう。
新幹線で電波が悪いのはなぜなのかのまとめ

- 新幹線は電波を遮りやすい構造で、高速で走ることが原因である
- 新幹線はWi-Fi付きの車両があるが、利用者が多いと電波が繋がりにくい
- 山間部でも動画を楽しみたいなら、事前のダウンロードがおすすめ
- 利用者の少ない正午や深夜、窓側の席に座るだけでも電波は改善されやすい
- 仕事で利用するなら、S Work Pシートの利用やWi-Fiルーターはセキュリティに配慮されている
トンネルでも電波が保てるように工事が進められていますが、まだまだスムーズに通信できないことがあります。
動画の再生や資料のダウンロードができなくてイライラしないように、できることから試してみてくださいね。
そして、新幹線に乗っている時間を有意義なものにしましょう!

